定年前に資格を取るなら教育訓練給付を先に確かめる。再雇用で働きながら使える条件と、戻る割合(20%・40%・50%)を国の資料で調べました

わたしは2027年2月に60歳で定年を迎え、同じ会社に再雇用で残ることが決まっています。
65歳から先の働き方を考えていると、「何か資格を取っておくか」という話が頭に浮かびます。ただ、講座の受講料を全部自分で払うと、けっこうな額になります。
調べてみると、雇用保険から受講料の一部が戻る「教育訓練給付」という仕組みがありました。しかも、会社に勤めたまま使えます。ハローワークの資料で、条件と戻る割合、手続きの順番を確かめた記録です。
定年の前に「資格の勉強」を考えたら、先に確かめたいこと
先に結論を書きます。
- 教育訓練給付は、厚生労働大臣が指定した講座を受けたときに、払った受講料などの一部が雇用保険から戻る仕組みです
- 3種類あり、戻る割合がそれぞれ違います(一般20%・特定一般40%・専門実践50%から)
- 2種類(専門実践・特定一般)は、受講を始める2週間前までに、ハローワークで手続きを済ませておく必要があります
申し込んでから調べると、手続きが間に合わないことがあります。講座を選ぶ前に、この記事の順で確かめておくのがいいと思いました。
再雇用で働き続ける人は「在職のまま」使える
同じ雇用保険から出る、60歳からの給付のことは前に書きました。高年齢雇用継続給付の「60歳時点の賃金」は、定年前6か月の給料で決まる。あちらは給料が下がったときの給付で、今回は学ぶほうの給付です。
ハローワークのページでは、使える人がこう書かれています(3種類とも同じ形です)。
- 在職中の人:雇用保険の一般被保険者・高年齢被保険者等で、受講開始日に雇用保険に入っていた期間が3年以上
- 辞めた後の人:雇用保険の資格を失った日(離職日の翌日)から受講開始日までが1年以内で、入っていた期間が3年以上
- 初めて教育訓練給付を受ける人は、入っていた期間が専門実践は2年以上、特定一般・一般は1年以上あればよい
ここで大事なのは「高年齢被保険者」も入っていることです。高年齢被保険者は、65歳以上で雇用保険に入っている人の区分です(この定義は今回の資料には書かれておらず、わたしの理解です)。つまり、再雇用で65歳を過ぎて働いていても、対象から外れないと読めます。
3種類で戻る割合が違う
ハローワークのページから、3種類の戻る割合と上限を抜き出しました。
| 種類 | 基本の割合(上限) | 条件を満たすと |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20%(10万円) | (追加なし) |
| 特定一般教育訓練 | 40%(20万円) | 資格を取って雇用などで 50%(25万円) |
| 専門実践教育訓練 | 50%(年間40万円) | 資格を取って雇用などで 70%(年間56万円)/さらに賃金が5%以上上がると 80%(年間64万円) |
(ハローワーク「教育訓練給付制度」から。専門実践は最大3年間、上限192万円)
- どの種類も、戻る額が4千円を超えないときは支給されません
- 特定一般の50%と、専門実践の80%(賃金が上がった分)は、令和6年10月1日以降に受講を始めた人だけが対象です
「条件を満たすと」の中身は、ハローワークのページではこう書かれています。
- 70%(専門実践)・50%(特定一般):講座が目標にしている資格などを取り、修了日の翌日から1年以内に雇用された場合か、雇用されたまま受講して資格などを取った場合
- 80%(専門実践):70%の条件を満たしたうえで、修了後の賃金が、受講を始める前と比べて5%以上上がった場合
再雇用の人が「最大80%」をそのまま当てにしないほうがいい理由
80%という数字は目を引きます。ただ、これは賃金が5%以上上がった場合の割合です。
再雇用で働き続ける人は、雇用されたまま受講して資格を取れば、70%の条件には届きます。一方で、定年や再雇用の時期は、給料が上がるより下がる時期と重なりやすいと思います。ここはわたしの見立てで、資料に書いてあることではありません。
なので、わたしは「専門実践なら70%まで」「特定一般なら50%まで」で見積もっておくつもりです。80%は、もし賃金が上がったら上乗せになる分、と考えておきます。
専門実践・特定一般は「受講の2週間前」までにハローワークへ
専門実践と特定一般には、受講を始める前の手続きがあります。ハローワークのページでは、順番はこうです。
- 訓練対応キャリアコンサルタント(専門実践はハローワークの)による「訓練前キャリアコンサルティング」を受ける
- 就業の目標などを書いた「ジョブ・カード」の交付を受ける
- 受講開始日の2週間前までに、ハローワークで受給資格確認の手続きをする
一般教育訓練には、ハローワークのページにこの手続きの記載はありません。
いちばんもったいないのは、講座の申込を先に済ませてしまい、2週間前の手続きが間に合わないことだと思います。専門実践か特定一般の講座を考えるなら、申し込む前にハローワークへ行く順番にします。
受け取るときの申請の期限も決まっています。
- 一般・特定一般:訓練の修了日の翌日から1か月以内にハローワークへ申請
- 専門実践:受講開始日から6か月ごとの期間の末日から1か月以内に申請(年2回)
使えない場合と、確かめ方
ハローワークのページで、使えない場合として書かれているのはこれです。
- 受講開始日の前日から3年以内に、教育訓練給付金を受けたことがある場合は、支給されません
自分が使えるか、講座が対象かは、次の方法で確かめられます。
- 講座が指定を受けているか:厚生労働省の「教育訓練給付金 検索システム」で探せます
- 自分に受給資格があるか・講座が指定されているか:ハローワークの「支給要件照会」で確かめられます。「教育訓練給付金支給要件照会票」に書いて、運転免許証などの本人確認書類といっしょに、本人が行くか、代理人・郵送・電子申請で出します
- 電話での照会は受け付けていません(トラブルのもとになるおそれがあるため、とハローワークのページに書かれています)
わたしが確かめること
わたしは、資格を取るかどうかをまだ決めていません。決める前に、次の順で確かめます。
- 自分の雇用保険の加入期間を、雇用保険被保険者証などで見る(長く勤めているので3年は満たしている見込みですが、まだ書類では見ていません)
- 過去3年以内に教育訓練給付を受けていないか(受けた覚えはありません)
- 気になる講座が出てきたら、申し込む前に検索システムで指定を確かめる。専門実践か特定一般なら、先にハローワークで手続きをする
【PR】65歳から先の働き方を考える材料の一つとして、国家資格のキャリアコンサルタントがあります。日本マンパワーの案内では、同社のキャリアコンサルタント養成講座は「専門実践教育訓練給付制度 対象講座」とされています。ただ、戻る割合は上に書いた条件しだいで、講座が指定されているかは検索システムで自分で確かめるものです。資格を取れば65歳以降も働ける、という話でもありません。わたしはまだカタログも取り寄せていません。取り寄せたら、実測としてここに書きます。
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まとめ
- 教育訓練給付は、厚生労働大臣が指定した講座の受講料などの一部が、雇用保険から戻る仕組み
- 在職中でも使える。対象は一般被保険者・高年齢被保険者等で、65歳を過ぎて再雇用で働いていても外れない
- 受講開始日に雇用保険の加入が3年以上(初めてなら専門実践2年・特定一般/一般1年)。辞めた後なら1年以内の受講開始
- 戻る割合は一般20%・特定一般40%(条件で50%)・専門実践50%(条件で70%・80%)。4千円以下は出ない
- 80%は修了後の賃金が5%以上上がった場合。再雇用の人は70%までで見積もるのが堅い(わたしの見立て)
- 専門実践・特定一般は、受講開始日の2週間前までにハローワークで手続き。申し込む前に行く
- 受講開始日の前日から3年以内に受けていたら使えない。講座の指定は検索システム、受給資格は支給要件照会(電話は不可)で確かめる
この記事で使った資料
- ハローワーク(厚生労働省)「教育訓練給付制度」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html
- 厚生労働省「教育訓練給付金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
- 厚生労働省「教育訓練給付金 検索システム」 https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/
決まりと数字は、すべてこの3つの資料から引きました。PRの段落にある講座の説明だけは、日本マンパワーの公式ページ(https://www.nipponmanpower.co.jp/cc/ )の表示です。個人の解説記事・動画は、論点を探すためだけに使い、根拠にはしていません。
書いた人:物流の仕事を38年続けている会社員です。配車の仕事を漫画にしました。
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